先日、TVニュースで琵琶湖で鮎が獲れない特集を見ました。興味があったので見たのですが、すみません。そもそも琵琶湖で鮎が獲れていたことを知りませんでした。
正確には小鮎の漁獲高の激減。名産にもなっている小鮎煮。鮎特有の苦味があり春の珍味。また小鮎の天ぷらや塩焼きも。これらが食べれなくなるかもしれないということ。小鮎煮を製造している社長様も現状水揚げが例年の半分以下で製造できないとのこと。去年の冷凍もので急場をしのいでいる状況でした。
では何故小鮎が激減したのか?
原因は琵琶湖に大量発生した微生物です。植物プランクトンのミクラステリアスハーディ。初めて聞く名前です。
このミクラステリアスハーディはオーストラリアなどに生息する外来種。渡り鳥の鳥の羽についてきたのか、なぜ大量発生したのか原因は現在不明だそうです。しかもこの微生物には天敵がいないことと倍倍ゲームみたいに増殖スピードが速いということ。
この微生物は動物プランクトン(例えばミジンコ等)よりも体長が大きい。普通は植物プランクトンは動物プランクトンに食べられその動物プランクトンを小鮎が食べるという図式なのがこのミクラステリアスハーディ、体長が大きいためミジンコが食べれない(顕微鏡で見るとミジンコより大きい!)。おまけに他の植物プランクトンを食べてしまうのでミジンコは餌がなくなり減少。そのミジンコを餌にする小鮎も減少したということ。
これは漁協の方々も今まで経験したことないそうで、県の水産課と漁連との話し合いでも解決策が見出せずお手上げ状態だそうです。この状況が来年まで続くと漁師廃業の方も増えるのは間違いないという死活問題になっています。
長良川でもそうですが福岡筑後川でも鵜飼いがあります。心配なのはこの微生物が全国区にはならないのかということです。いますぐとはならないまでも近い将来同じことがおきると鮎の激減につながり春の風物詩の鵜飼いが見れなくなるということはないのでしょうか?
でもこの微生物ミクラステリアスハーディーを餌とする昆虫がいました。昨日の産経新聞(Yahooニュース)で紹介されたビワコムシです。正式にはオオユスリカというのだそうです。現在琵琶湖に大量発生しているそうで、この微生物を餌にしていることも大量発生した一因と考えられるそうです。このビワコムシは人畜無害なのでむしろ益虫。幼虫時には湖底の泥の有機物を餌にするので湖の浄化に役に立っているし人を噛んだり、刺したりもしない。確かに大群で発生しているさまをみると昆虫嫌いの方は気持ち悪さこの上ないと感じるのもごもっともですができるだけ共生出来る方法を考えてみましょう。
ビワコムシでミクラステリアスハーディーを減少させることが出来るものなのか、それとも他の方法があるのかどうか研究結果が待たれます。