深刻な小中高生の“病的ネット依存症”

近年スマホやパソコンでの”ネット依存”が度々報道されています。

ネット依存症とは、

インターネットに熱中するあまり、インターネットを離れると孤独感や絶望感にさいなまれ、睡眠障害や生活リズムの崩れなどの症状に陥る状態のこと。
(デジタル大辞泉より)

特にスマホ(スマートフォン)が普及して誰でも気軽にインターネットが出来るようになりました。

おかげで私もそうですが、
●SNSにアクセスしやすくなった
●無料でゲーム等をダウンロードしやすくなり遊びやすくなった。
等が挙げられます。

問題はここからですが、福岡大学経済学部教授木下敏之氏の解説が大変わかりやすかったので以下の文にも引用させて頂きましたが、
ある程度成長している大人より今から成長期を迎える小中高生たちのなかに通常のネット依存症よりひどい病的ネット依存症の割合が増えているということです。

中高生のネット依存

5年ほど前から厚生労働省の中にネット依存を研究するお医者さんのチームがあるそうです。

そこが今年の8月31日に中間報告を出したのはニュースにもなりました。

その内容というのが、
中高生の病的なネット依存者が約93万人

これは全体の何割かというとなんと約14%です。

これに加えて「予備軍」(今は大丈夫だけどこのままだったら病的に移行する可能性が高い)は254万人だそうです。これは全体の約38%になります。

これは5年間で倍になっているということ。

これは
ネット依存症というよりスマホ依存症と言う方が正しいかもしれません。

韓国では・・・

お隣の国、韓国(大韓民国)ではネット依存症は日本よりかなり深刻で、すでに法規制がかかっています。

韓国では日本よりもネット環境が整備されていて無料Wi-Fiがあちこちで繋がりますし、使用料金も安価です。

実際にあった事故は
「ネットゲームをやっていた子供が死亡」があったそうです。

[ゲームすること=死亡]と結びつきにくいのですが。

理由は、
ゲームをするときは画面に向かって長い時間同じ姿勢をとっています。その為に血管の中に血栓が出来、その血栓が肺に入り死亡したのだそうです。

これは震災の時に車中泊で起こった「エコノミー症候群」と全く同じです。

日本にある”ネット外来”

依存症患者が増えているのを受けて日本でもネット外来があります。
独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センターです。

ここでは2011年ですが、毎年約1,500人診察しているそうですが、年を追うごとに患者さんが低年齢化しているそうです。

病的依存症の罪

15歳以下の成長期の子供にとって一番心配なのは脳の発育です。

例えば言葉の意味を調べる時に一般的には辞書を活用しますが、これがスマホ等で調べると脳の発達が抑制されるというのです。

それは脳の前頭前野(ぜんとうぜんや)部分です。

辞書で調べ物をするとこの前頭前野が活発に動くのですが、スマホ等で調べるとその動きを抑制するらしいのです。

前頭前野は「思考や創造性を担う脳の最高中枢」でここの発達が遅れると会話能力や意思決定等に影響を及ぼすといわれています。

また学力にも影響するとおっしゃっている先生もいます。

この本の帯には「スマホをやめるだけで偏差値が10上がります」と書いてあります。

脳科学者で東北大学教授川島隆太氏執筆です。

この本では、
使用に付帯するリスク、とりわけ子どもたちによる長時間使用の危険性や、成績に及ぼされる影響についてはあまり知られていないのではないかという疑問から、仙台市の総計7万人を超える子どもたちを対象に、数年間にわたって行われた大規模調査の結果を基に、スマホやアプリの使用がもたらす影響を解明し、スマホ使用のリスクを正面から論じた本です。

小中高生の保護者の方々は読んでみることをおススメします。

まとめ

病的ネット依存症=麻薬中毒と同じと言っても過言ではないと思います。

私も人のことをとやかく言うつもりはありませんが、成長期真っ只中の子供たちがスマホのとりわけゲームに熱中することでどんどん発達するはずの部分が遅れるというのはもったいないと思うのです。

アメリカの統計ですが1日に平均200回ネットを見ているそうです。

私の頃は食事中にテレビを見ながらだとよく父親から「行儀が悪い」と怒られていました。

それが現代ではテレビからスマホになりました。

食事中も片時も離さず、お風呂、トイレ、睡眠中までもスマホを離すことが出来ないとなればこれは病的だと考えられます。

日本でも近いうちに、
【深夜にはゲームサイト等にアクセス出来ない】ような法規制がかかるかもしれませんね。

最新情報をチェックしよう!