高齢者の運転免許返納を考えてみる。

昨日のニュースで85歳の男性が運転するプリウスが暴走し横断中の7人が怪我をしたのがTV、新聞で報道されました。これを見て「またか」と思った方、「だから高齢者には免許与えちゃダメ」と思った方いろんな思いがあったと思います。

私の母も80歳になります。未だに運転しています。運転しなければならない理由があるからです。我が家は朝倉市の田舎です。公共の乗り物は歩いて2~3分のところにバス停がありますが1時間に1本です。最終バスも20時ちょっと前で終わります。一番近くの鉄道の駅まで4km離れていますので便利は悪いです。
バス等が数分おき、数十分置きに来ている、鉄道の駅までの連絡が良いなど公共交通が便利な都市部に住んでいるならまだしもそうでないと買い物も出来ないことになり買い物難民になってしまいます。

困ったことに(?)母は運転をすることが大好きで遠くには行きませんがドライブを楽しんでいます。以前私も母に「免許返納する気ある?」と聞いたことがありますが即答で「全く無い」と言われました。良い意味でストレス解消にもなっているのでしょうね。

確かに私としては心配です。ひと様を傷つけたり、事故に巻き込んだりというのは考えます。でもこれは自分自身でもありえることだと思います。確かに家族にとっては返納してくれたほうが安心です。しかし返納する側の高齢者はどうでしょう?高齢ドライバーも言い分はあります。

「では返納する代わり自分の行きたいところに毎回連れて行ってくれ」
「病院の送り迎えよろしく」
「買い物つきあって」
と言いたいのではないかと思います。でもなかなか言えないのも事実。
「そんな時間あるわけないやん」
と家族の方は言うでしょう。「出来る限りやるけど今まで通りにはいかないからある程度我慢して下さい」となるかもしれません。もしかしたらストレスが発散できなくてかえって体調を崩すかもしれません。

自動車の運転は年齢に関係なくリスクは付きまといます。若いから大丈夫や年寄りだから危ないという論法には反対です。若くても煽り運転など危険運転する輩もいるし、年寄りでも颯爽と安全にポルシェを運転している方もいらっしゃいます。

年齢で一律に返納と言うのには反対というのが私の意見です。もし国が返納を求めるのなら足代わりになる【ご褒美】を設ける必要はあると思います。割引のタクシー乗車券やバスの回数券等々。国会でいろいろ議論してもらいたいと思います。

高齢者に運転をさせたくないと家族側が考えても高齢者本人は運転したくてたまらないのです。心配を軽減するために決め事を作ったらどうでしょう?
例えば
・運転は日中だけ(日没までには戻ること、夜は運転しないこと)
・任意保険の見直し(搭乗者や無保険者に対してと対物)
・何かあったときの為の連絡網を教える。
・乗る曜日を決めておく。それ以外は乗せない、乗らない。
・キーは家族みんなが見えるところに置くようにする。
・もしもの為に車自体にGPS発信機を装着する。
等など。お互いに一方的ではなくお互いが歩み寄れるところまでじっくり話し合って決めることが良い方法だと思います。ちなみに我が家は車の修理代が100万円を越えたとき(もちろん自損事故でも)が免許返納と言ってます。

こうなる前にとは思うのですが。
この写真は本文とは関係ないのですが、この車は私の友人の車です。わき見運転で歩道の欄干に激突したそうで自損事故です。見た目修理できそうですが原型を留めていたのは天井だけで写っていない反対側のリヤタイヤはちぎれてありません。運転手は友人の子供が運転していたそうですが、奇跡的に無傷で後遺症もありません。なんとも不思議です。

若い方も老齢の方も思いやりのある安全運転しましょう。

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